膀胱炎
膀胱内に細菌が侵入して、炎症を起こした状態をいいます。急性のものと、慢性に経過して再発をくり返すものとがあります。細菌が、外界から尿道をさかのぼって膀胱内に侵入するもので、もっとも多いのは大腸菌です。特に女性は尿道が短いので好発します。慢性化したり再発をくり返す場合には、ほかに誘因となる病気があるかどうか検討しなければなりません。誘因としては、膀胱結石、膀胱腫瘍[ぼうこうしゆよう]などの膀胱の病気、腎盂腎炎[じんうじんえん]、婦人科の病気、前立腺[ぜんりつせん]の病気などです.
慢性前立腺炎
前立腺炎は、細菌が尿道を経て前立腺に侵入し、炎症を起こす病気で、急性前立腺炎と慢性前立腺炎とがあります。原因となる起炎菌は、大腸菌をはじめ、淋菌、ブドウ球菌、緑膿菌、連鎖球菌などです。急性前立腺炎は、膀胱炎[ぼうこうえん]などの尿路感染症が前立腺にまで広がって起こります。発熱、排尿痛などがおもな症状です。炎症が進行すると尿道からの膿[うみ]の排出がみられます。この病気は早期に治療すれば比較的予後もよく、10日ぐらいの経過で治癒します。
心因性頻尿
1日に10回以上あるいは、1晩に2~3回以上トイレに行く状態は、頻尿といって明らかに異常です。頻尿の原因には、いろいろな理由で膀胱の容量が小さくなる場合、膀胱炎などで膀胱の知覚が亢進している場合、糖尿病などで尿量が増えた場合などを挙げることができます。なかにはいろいろな検査でも尿路には異常がみつからず、ストレスなどが原因の場合があります。このような頻尿症は心因性頻尿といわれ、ほかの頻尿や神経因性膀胱、神経疾患に伴う頻尿とは区別されます。