気管支炎
多くは上気道炎にひきつづいて起こります。熱が出て、はじめは乾いたせきが、しだいにたんもからまって湿ったせきになります。乳幼児では食欲不振、嘔吐、下痢などを伴い、年長児では頭痛やだるさを訴えます。1歳以下の赤ちゃんは、しばしば気管支の末梢のほう(細気管支)に炎症を起こし、ゼロゼロや、吐く息が苦しくなります(急性細気管支炎)。乳幼児の栄養状態が悪いときは、肺炎になりやすいので注意が必要です。
百日咳
百日咳菌によって起こる、せきをおもな症状とする病気です。伝染力が強く、初夏から秋にかけて流行します。しかし近年は、予防接種の普及できわめて少なくなりました。かかりやすい年齢は0~3歳くらいまでの乳幼児で、せきやくしゃみによる飛沫感染で感染します。この病気は、母親から免疫を受け継ぎにくいので、生まれたばかりの赤ちゃんにうつることもあります。特に、生後5カ月以下の乳児が感染すると、症状が重くなり、肺炎などの合併症を起こすと命にかかわることがあります。一度かかると一生免疫ができるため、二度とかかることはありません。潜伏期間は7~15日。最初の約1~2週間は、鼻水、くしゃみ、せき、微熱など、かぜと同じ症状です。発熱は伴わないことが多く、あっても微熱なのがひとつの特徴です。この時点では医師でも、百日咳とはなかなかわかりません。
急性中耳炎
細菌やウイルスの感染で、中耳に炎症が起こったものです。感染のルートはかぜ、鼻やのどの炎症があるとき、鼻咽腔と中耳の間を結ぶ耳管を経由してくるものがほとんどです。外耳道に水が入っても鼓膜が正常であれば中耳炎になることはごくまれです。耳管を通して中耳に侵入するペニシリン耐性の細菌で多いのは普通の化膿性球菌(ブドウ球菌など)ですが、最近は肺炎球菌やインフルエンザ菌によるものが増えています。