脳梗塞
脳の動脈の内腔が詰まり、そこより先に血流がいかなくなるため脳組織が損傷を受けます。血管の詰まり方に2種類あり、血管が動脈硬化を起こし、内腔がだんだんと狭くなり詰まる脳血栓症、心臓や大血管で血栓ができ脳まで血栓が運ばれて脳の血管に詰まる脳塞栓症があります。脳血栓症は、症状がゆっくり進行し、2~3日たって完成する場合があります。脳塞栓症は突然症状が完成し、脳血栓症よりも一般的に重症です。脳梗塞をさらに大きく3つのタイプに分ける場合もあります。それは、動脈硬化により頸部や頭の中の大きな血管が詰まるアテローム血栓性脳梗塞、脳内の細い血管が詰まるラクナ梗塞(脳梗塞の大きさが1.5cm未満)、心房細動(不整脈の一種)、心筋梗塞、心臓弁膜症、心筋症などで心臓内に血栓ができ脳に到達する心原性脳塞栓症の3つです。アテローム血栓性脳梗塞やラクナ梗塞は、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、喫煙などによる動脈硬化が原因です。3つの脳梗塞のタイプの頻度は、昔はラクナ梗塞がもっとも多かったのですが、近年食生活の欧米化とともに、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症が増加し、およそ3分の1ずつです。
心房細動、心房粗動
心房細動は、期外収縮に次いで多くみられます。心房の各部分が電気的に統一を失って、まったく無秩序に細かく動いている状態の不整脈です。この際の脈拍は大小不同で、まったく不規則であり、これを絶対性不整脈といいます。心房粗動では、心房細動が不規則に小刻みな動きをするのと違い、心房は規則的に1分間に220~350、電気的に興奮するものです。この電気的刺激の一部が心室に伝わり、脈はほぼ規則的になるので、心電図をとらないと、診断がつきません。
不整脈
心臓の収縮のリズム(拍動のリズム)が乱れる不整脈は、その症状から(1)脈が速くなる(増える)タイプの頻脈性不整脈(2)脈が遅くなる(少なくなる)タイプの徐脈性不整脈とに大きく分けられます。これらはさらに、いろいろな種類があります。